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お知らせ

廣野俊輔ゼミ 大分大学,工藤修一先生ゼミとの交流報告

2025年9月2日 更新
【日程】

 2025年7月29日(火)~ 2025年7月30日(水)

 

【内容詳細】

  2025年7月29日大分大学福祉健康科学部の工藤修一先生のゼミと同志社大学社会学部社会福祉学科廣野ゼミで交流討論会を行いました。工藤修一先生は,病院でソーシャルワーカーとして実践を積まれ、現在は保護司としても活動しておられます。工藤修一先生からは,刑法改正に伴って2025年6月1日から懲役刑と禁固刑が一本化されて導入された拘禁刑についての講話がありました。この改正は,一般的には,受刑者の個別化を促進するために導入されたと理解されています。具体的には刑務作業をするかどうかは受刑者ごとに決定されますし,受刑者ごとの更生プログラムが設定されます。この点を一見すると,発達障がいや知的障がいその他何らかの障がいを背景にもつ受刑者にとって望ましいことのように見えます。しかし,工藤先生の話では非常に重い障害などをもつ場合で,刑務所内での行動が改善していると評価されず,かえって刑務所にいる期間が長期化する懸念もあるとのことでした。続いて,廣野から新型コロナウィルスで障害者施設の面会や外出が制限されたが,コロナが5類に移行された後もそれらの制限が緩和されていないという問題について話しました。これにはさまざまな背景が考えられ,たとえば,緩和についての明確な基準が示されないこと,もともと入所施設の職員にとって入所者の面会や外出が負担になっていたこと,「感染の可能性」ということにいったん焦点が当たると,その不安が完全には払拭されないことが挙げられます。

 交流会には飛び入りで社会福祉法人博愛会,第一博愛寮の施設長,釘宮謙悟さんも参加して下さり,社会福祉法人の広報戦略に関した取り組みを,分担執筆された書籍を紹介しながら教えてくださいました。

 その後,工藤先生の家の前でバーベキューをしながら,大分大学の学生さんとともに楽しく交流し,予定の許す大分大の学生さんたちは夕食もご一緒してくださいました。大分の街を歩きながら,あるいは,食事をしながら,この地域の特徴についていろいろ聞くことができました。大分県といえば温泉という連想から観光の町というイメージがありますが,大分市は新産業都市政策(高度成長期に工業地帯から外れた地域にも工業を誘致しようとした国の政策)の一環で発展した工業都市でもあり,大分県全体では一村一品運動(1979年,当時の平松知事が提唱し,各市町村にひとつずつの特産品を有するようにした地域振興策)に象徴されるように農業や漁業に関係する生産物も豊かな地域です。また,農作物を荒らしていた野生の猿に餌をやることで始まった高崎山動物公園やもともと温泉が噴き出て農業に不適だったところを地獄めぐりとして観光資源にするといったところは地域福祉論から見ても参考になるところが多いです。最初は,どういう雰囲気なるかと心配していた学生さんたちも,そこはやはり同年代同士すぐに打ち解けていました。京都府と大分県はとても遠いですが,こうした交流が今後も続けられたらと思っています。

廣野ゼミ交流討論会
大分大学,工藤修一先生ゼミとの交流

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